介護で階段を下りるときの補助の方法とは?歩き・車椅子の補助を解説
高齢者の方や、脚や腰に障害や何らかの問題を抱えている方にとって、階段の上り下りは困難です。そういった方を介護するためには、正しい補助の仕方を知っておく必要があります。この記事では、階段を降りる時の補助の方法や、車椅子ごと下す場合の補助、上り下りがしやすくなるバリアフリー工事の例についてご紹介します。
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階段を降りるときの補助の方法・手順
それではまず、階段を降りる時の補助の方法と手順についてご紹介します。
被補助者:片手で手すりを持つ
補助を受ける方(被補助者)には、片手で手すりを持ってもらいましょう。健康で力を入れられる側の手で手すりを持ち、バランスを崩さないようにゆっくりと降りるようにします。
補助者:一段下の斜め前に立つ
補助をする介護者(補助者)は、被補助者の一段下の斜め前に立ってサポートしましょう。斜め前に立っておくことで、万が一被補助者がバランスを崩してしまっても支えられます。また、斜め前に立つことで恐怖心を和らげる効果もあります。この時、被補助者の手を握って、もう一つの手は脇に手を入れるか腰を支えて、ゆっくりと降りるようにしましょう。
補助者:足を前後に開いて踏ん張る
補助者は降りている最中、足を前後に開いて踏ん張ってサポートしてください。しっかり被補助者の支えになるようにして、階段を踏み外したりバランスを崩してしまっても転落を防げるように、力を抜かないようにしましょう。
二歩で一段降りる
降りる際は二歩で一段降りるようにします。足腰が弱い方は一段ずつ交互の脚で降りるのは困難なので、慎重に降りなければなりません。片方の脚で一段降りたら、もう片方の脚も同じ段に降りて立つ、という動作を繰り返します。
ゆっくりとサポートする
補助をする上で大切なのは、ゆっくりと降りられるようにサポートすることです。焦らず、バランスを崩さないように一歩ずつ慎重に降りていきましょう。
被補助者が足を出す順番を意識する
もう一つ意識したいポイントは、被補助者が足を出す順番です。階段を下りる際は着地する方の足に負担がかかるため、健康な方の足を支えにして痛みやマヒがある側の足を後から降ろします。
階段で車椅子ごと降ろすときの補助
車椅子を利用されている方の介護では、階段を降りる際は車椅子ごと下すことになります。その場合の手順についてもご紹介します。
2~4人で補助する
車椅子ごと下す場合は1人で下すのは困難であり危険を伴うため、2~4人で補助してください。2名または4名で、車椅子を囲むようにして持ち上げて、ゆっくりと階段を降ります。
後ろ向きで降ろす
車椅子を持ち上げたら、階段に対して後ろ向きで降ろします。つまり、被補助者は上を見上げる形になり、重心が安定するため降ろしやすくなります。車椅子の前輪をティッピングレバーで浮かせて、後輪を階段の角に沿う形でゆっくりと降ろしましょう。
階段の上り下りがしやすくなるバリアフリー工事の例
被補助者の方が安心して階段の上り下りがしやすくなるような、バリアフリー工事の例をご紹介します。
手すりをつける
階段の手すりは建築基準法で付けなければならないと義務付けられていますが、両側に手すりをつけることでより安全になります。片側のみに設置されることが多いため、バリアフリー化を意識するなら両脇につけましょう。
足元に照明をつける
足元に照明をつけることで、夜中の転倒を防ぐ効果が期待できます。天井や壁だけでなく、足元を照らすような証明をつけるのも効果的です。
安全な床材に取り替える
階段は滑って転倒してしまうと、大けがにつながる可能性があるため、滑りにくい安全な床材に取り替えるのもおすすめです。ただし、全く滑らないのも引っかかってしまう恐れがあるので注意しましょう。
階段の勾配を緩やかにする
階段の勾配がきついと上り下りが大変になり、足腰にも負担がかかりやすいため、勾配を緩やかにするバリアフリーもあります。転倒を防ぐ効果もあるので、安全性も向上します。
階段昇降機を設置する
安全に階段を上り下りするために、階段昇降機の設置という手段もあります。階段昇降機は、座りながら階段を一人で上り下りできる機械で、自宅の階段にも設置可能です。大規模な工事をしなくても設置できて、補助者の負担も大きく軽減できることから注目されています。
階段の補助方法を理解して安全に介護しよう
この記事では、階段の上り下りに関する補助方法について解説しました。介護において階段の補助は重要性が高く、一歩間違えれば被介護者の方が怪我をしてしまうおそれがあるため、慎重に行わなければなりません。階段の補助方法を理解して、安全に介護を行いましょう。