遠距離介護ってどうやるの?選ぶ理由やメリット・デメリットを解説
自宅で生活しながら介護を行う「在宅介護」に対し、離れて暮らす両親をサポートする「遠距離介護」があります。遠距離介護は仕事の都合上、現在の居住地を離れられない場合に選択することが多いです。この記事では、遠距離介護を選ぶ理由や、メリット・デメリット、遠距離介護でのトラブル防止方法についてご紹介します。
この記事を読むための時間:3分
遠距離介護とは?選ぶ理由は何?
遠距離介護とは、親と離れて暮らす子が、高齢や病気などを理由に日常的なサポートが必要となった親を、遠方から実家に通いながら介護することです。親は住み慣れた土地で過ごしながら、子は今住んでる場所で仕事を続けながら介護をするという目的・理由で、遠距離介護が選ばれる傾向にあります。
遠距離介護による帰省の頻度
遠距離介護における帰省の頻度は、親の健康状態によって変わり、またそれぞれの家庭によっても異なります。中でも病気や怪我で入院する場合は、帰省頻度が高くなる可能性があるので、自身の生活に影響が出ないように検討しましょう。
遠距離介護をしている人の割合
内閣府の令和5年版高齢社会白書によれば、被介護者と介護者の続柄は「別居の家族等」が13.6%となっており、約13人に1人が遠距離介護をしていることがわかります。同居で介護をしている人は54.4%なので、在宅介護に比べると遠距離介護は少数派です。
遠距離介護のメリット
遠距離介護をするメリットは、以下の通りです。
- 介護者のストレスが軽減される
- 転居の必要がない
- 介護保険サービスを利用しやすい
介護者のストレスが軽減される
まず一つ目のメリットは、常に介護をしなければならない状況でない分、介護者のストレスが軽減されるという点です。介護者の中には介護によってうつ病になってしまう人もいます。しかし、介護者が家庭を持っている場合は、自宅で家族に介護に関する相談をすることで、ストレスを軽減できる場合もあります。
転居の必要がない
2つ目のメリットは、遠方から帰省しながらの介護のため転居の必要がない点です。介護者にも自分の生活や仕事があるため、仕事を続けながら介護ができます。介護には「介護離職」などの問題も付きまといますが、そういったリスクの回避も可能です。
介護保険サービスを利用しやすい
3つ目のメリットは、介護保険サービスを利用しやすいという点です。親の怪我や病気・認知症などの症状の度合いによっては、介護施設の利用を検討する必要があるでしょう。遠距離介護であれば、生活状況を考慮したうえで、入居の優先順位が高くなる可能性があります。
遠距離介護のデメリット
遠距離介護をするデメリットは、以下の通りです。
- 緊急時にすぐ対応できない
- 費用負担が大きくなる
緊急時にすぐ対応できない
遠距離介護では、親の容体が急に変化したときなど、緊急時にすぐ対応できないデメリットがあります。毎日様子を確認できる状況ではないため、些細な変化に気付けず何かあった時の対応が遅れがちです。緊急時に迅速に対応できるように、こまめに連絡を取り合っておきましょう。
費用負担が大きくなる
遠距離介護は毎週、毎月と遠方からの移動が発生するため、交通費など費用負担も大きくなります。飛行機や新幹線を使用すると往復で数万円の出費となり、電話でこまめに連絡を取る場合は通信費も高くなるでしょう。少しでも負担を軽減するため、航空会社・鉄道会社が実施する割引制度などを、積極的に利用するのがおすすめです。
遠距離介護でのトラブル防止方法
遠距離介護では金銭的なトラブルや、人間関係に関するトラブルが生じるおそれがあります。ここでは、そういったトラブル防止方法について解説します。
介護の役割分担を事前に家族と相談する
まず、家族内で介護をどのように役割分担をするか事前に相談しておきましょう。生活状況によって対応できる範囲が異なるため、兄弟間で何ができるかを確認し合います。誰がメインで介護を担当するかや、仕事が忙しく介護に協力できない状況であれば金銭援助を行うなど、役割分担を話し合うことが大切です。
介護費用は親を含めて話し合う
介護費用は、親を含めて話し合うのがおすすめです。介護費用はなるべく親の資産を使いたいと考えている場合は、事前に伝えておくことで、後々のトラブル防止にも役立ちます。親の資産を把握しておけば、介護費用がかさんできたときに親族間の金銭トラブルを回避できるでしょう。
勤務先の介護休暇・介護休業などの制度を確認する
勤務先に介護休暇・介護休業の制度が利用できれば介護を余裕を持って行えます。介護休暇や介護休業は「育児・介護休業法」で認められた労働者の権利ですが、会社によって利用中の賃金は規定が異なります。利用条件や賃金などについて、事前に確認しておきましょう。
親や家族とコミュニケーションを密に取り遠距離介護を成功させよう
この記事では、遠距離介護について詳しくご紹介しました。ストレスが少なく転居が必要ないなどのメリットがある一方、費用負担が大きく緊急時の対応が難しいといったデメリットがあります。親や家族とコミュニケーションを密に取りながら、最適な遠距離介護を行いましょう。
前の記事へ
« 洋式トイレのメリットは?デメリットについても合わせて解説次の記事へ
高齢者の体を洗う順番は?入浴介助の注意点を詳しく解説 »